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「ホリスティック」って? [Natural care]

この記事は、2010年3月に書いたものを再びここにアップしたものです:


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今日は土曜日。そして月ちゃんと家族になってから、3ヶ月目の日です!まだ3ヶ月なんて、ずっと一緒にいるみたいですが。。。(月ちゃんと家族になった経緯は、こちらです:http://mikazuki2009.blog.so-net.ne.jp/archive/20100215

記念に(?)、のんびりとコーヒーを入れて、少し長い文章を書いてみます。いつもの日記的なものとは趣が変わるので、興味のない方はすっ飛ばしてください~[ダッシュ(走り出すさま)] 

あるところで「ホリスティック」という考え方について書いたので、その内容をこちらで簡単に紹介したいと思います。(犬のホリスティックケアというよりも、ホリスティックという考え方そのもの、についてです。)

この言葉は今、「オーガニック」「ナチュラル」「ロハス」などなど、いろいろな考え方を含めて使われているように思います。
それって正解!なぜかというと、holistic は、すべてのモノやコトが有機的につながっていることをベースにした考えだからです。

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英語で使われたままなので、ヨーロッパの歴史を見てみるとわかりやすいのですが、もともとはハリー・ポッターのような世界が広がっていた、土着的な文化だったヨーロッパ。
それがキリスト教の普及、宗教改革、科学の発達、産業革命と時を経るごとにと、だんだんと今のように「きちんとした」、合理主義的なものになっていったのです。

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イギリスは、スピリチュアリズムの発信地と言われていますが、これはケルト文化にルーツがあります。アイルランド、スコットランド、ウェールズなど、アングロサクソンの支配が薄かったところに残っているケルト文化。多神教で自然と融合していた文化です。

ホリスティックな考えは、reductionism (還元主義)と反対の位置にあるとされています。還元主義の代表者は17世紀の哲学者デカルト。その後発達して今でも科学の基盤となっている、簡単に言えば、全体っていうのは部分で構成されているのだから、部分を取り出して対処すればよい、的な考えです。胃痛には胃薬を、的なやつですね。

これは、機械などについて考える場合には適切なのでしょうが、自然科学的な分野ではどうでしょうか。だって生き物ですからね、動物や植物は。デカルトは「動物は機械である」と言った人。動物には感情はおろか、痛みを感じる機能はない、という考えは、この時代の科学者の間では主流だったようです。(これにはもちろん、動物に「魂」を認めるのか否かという宗教上の議論の要素もあって、デカルトが悪い人ってわけじゃありません[あせあせ(飛び散る汗)]

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こんな「近代的」な考えと平行して、魔術を信じるような「前近代」的な文化もまた、民衆の間では息づいていていました。ヨーロッパの中世から近代までを見ると、デカルトの前にはルネッサンスの「古典主義」が見られたことから、有機的な文化と無機的な考え方が常に同居しつつ、どちらかが主流になって一方を排除しようとすることの繰り返しだったようです。(例:魔女狩り)動物を機械とみなしたデカルト的な見解やどうぶつへのひどい扱いに反発する形で、イギリスで王立動物虐待防止協会などができています。ブッシュ[バッド(下向き矢印)]のあとにオバマ氏が当選[グッド(上向き矢印)]したのと同じことですね!

ヨーロッパ文化の基盤のひとつにもなっているルネッサンスの「古典主義」は、ギリシャ時代の文化に傾倒するもの。そしてギリシャ時代の哲学者であるアリストテレスは、全体は単なる部分の集まり以上のもの、という考えをしていました。ホリスティックですね。それにギリシャ文化は日本のようにたくさんの神様達を信じていた文化。オーガニックかつダイナミックです。(そもそも、「オーガニック」という言葉も「有機的」という意味ですから、今の使われ方はちょっとへんなのですが、また別の機会に。。。)

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ですからホリスティックの考え方は大昔からあったんですが、holistic という言葉が最初に使われたのは、20世紀に入ってからJ.C.スマッツの書いた Holism and Evolution という本だと言われています。全体、という言葉は英語だと whole なのですが、holism は「聖なるもの」、つまりスピリチュアルな要素をも含んだ言葉になります。ですから、科学や事実だけではない、目に見えないものも含めて、モノやコトは構成されていて、それがお互いにつながっている、ってことですね。

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そして、自然科学の分野でこうしたアプローチが目立つようになったのは、自然保護運動やヒッピーがさかんになった1960年代から70年代。環境の問題を科学技術で克服しようとするのではなく、人間も、植物も、動物も、森も海も、無機質な機械ではなく生きている存在。そしてその存在も、それぞれの存在がしていることも、目に見える部分も見えない部分も含めてお互いにつながっているものだと考えます。わかりやすいのは、イギリスの科学者J.ラブロックの提唱した、地球をひとつの「ガイア」という生命体として見た考えです。(←でもこんな考えに猛反対している科学者もそれ以上にいます。日本人には意外に受け入れやすい考えのような気がしますが。)

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ですから、これを犬のことで考えると、私達も、そして私たちの大切なわんこも、周りの環境とお互いに影響を与え合っているってことですね。例えば、最近、犬1匹のカーボン・フットプリントがSUV2台分、という研究結果が出ています(http://www.afpbb.com/article/environment-science-it/environment/2677076/5071377)。
この結果にどう反応するかは人それぞれですが(そもそもカーボンだけで環境への影響を測ろうとするのが短絡的)。こんな風に地球の生き物はすべて影響を出しつつ共存しているので、個人としてどこでどう折り合いをつけるかを考えるのは、大変だけどおもしろいものです。

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最初に、「すべてのモノやコトが有機的につながっていることをベースにした考え」だと書きましたが、これはいろんなレベルで言えることで、わんちゃんの体についても、同じことですね。例えば、いろいろな臓器を循環する血液をきれいにする、肝臓。この臓器の調子が悪くなると、他の臓器や皮膚や毛並みなど、つながっているところに影響がでます。

そしてもちろん、Holism という言葉そのものが示すように、精神的な要素だってひとつのつながり。心と体はつながっています。飼い主さんのこころと、わんちゃんの Body&Soul の健康も。

わんこが病気になるとつい不安になりますが、そんなときこそ強くなって、あったかいオーラで包んであげたいものですよね。神社や近くの川べりや草むらなど、身近な自然のパワーをもらいに行くのも、飼い主&わんちゃんとダブルで効果的です。日本では神社がいっぱいあって、この意味でのホリスティックケアが手軽に実践できるように思います。

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ホリスティック。複雑です。だから多分日本語にはされずに英語のままで使われているのでしょう。でもこの考えって、神社のことでわかるように、古くから日本やアジアのほかの国にある考え方ですよね。生命力にあふれてて、目に見えないものを大切にする文化。なーんかここに、日本のホリスティックな文化がありそうな気がします[ぴかぴか(新しい)]

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